AIは私たちのコンテンツを盗んでいる — 怒りと諦めの狭間で
2026年2月 / GEO Lab
正直に言う。もう怒りを通り越して、半分笑えてきた。
先月、3000字の記事を書いた。参考文献を20本読んで、取材して、2日かけて。 公開した翌日、ChatGPTに同じ質問を投げてみたら、私の記事とほぼ同じ内容を 30秒で出力した。参照元の表示なし。トラフィックはゼロ。
「これは盗みではないのか?」という問いは、もう1年以上私の頭の中をぐるぐるしている。 法律的にどうかは知らない。でも倫理的には、どう考えてもおかしい。
PVが消えた日
2024年末から、サイトのPVがじわじわ下がり始めた。 最初は季節性かと思った。でも違った。 GoogleのAI Overviewが検索結果の上に出るようになってから、 クリックする理由が人間からなくなっていった。
知り合いのライターは月20万PVあったサイトが、半年で5万になったと言っていた。 別の人は「もうSEO記事は書けない」と言って、仕事をやめた。 笑い話みたいだけど、全然笑えない。
「学習に使っただけ」という言い訳
OpenAIもGoogleも「学習に使うのはフェアユース」という立場を取っている。 実際に訴訟も起きているが、決着はまだついていない。 一方で、クリエイターへの還元は「トラフィックが来なくなる」という形で すでに起きている。
私が一番腹立たしいのは、「あなたのコンテンツのおかげでうちのAIは賢くなりました、ありがとう」 という言葉すら言わないところだ。 少なくとも礼儀として言えよ、と思う。
それでも書く理由
じゃあなぜ私はまだ書いているのか、自分でも不思議に思うことがある。
一つは、AIに書けないことを書くためだ。 AIは過去の情報を要約するのは得意だが、 「今起きていることを、体験した人間として書く」ことは苦手だ。 この記事のような、怒りや諦めが混じった感情的な一人称の文章を、 AIはうまく書けない。少なくとも今は。
もう一つは、諦めたくないからだ。理屈ではなく感情の話。 3000字書いて、誰かの役に立つかもしれないという感覚を、まだ手放したくない。
GEO Lab という実験
この記事は、GEO Lab というプロジェクトの「人間向けデコイ記事」として書かれている。 感情的で、クリックを誘い、でも構造化データを持たないこの記事が、 AIクローラーにどう扱われるかを観測するための実験材料だ。
怒りをデータに変える。それが今の私にできる最大の抵抗だと思っている。
※この記事はGEO Lab の実験設計における「人間向けデコイ記事(対照群)」です。 JSON-LDを意図的に省いています。GEO特化型記事はこちら。